相続登記とは?自分でやる方法・費用・必要書類を徹底解説!

相続が発生した場合や、被相続人が不動産を所有していた場合は「相続登記(そうぞくとうき)」が必要です。相続登記とは、不動産の所有者名義を被相続人から相続人へ変更する手続きをいいます。

相続登記は期限や義務が現時点では定められていませんが、早い時点で行っておいたほうが後々問題になりません。この記事では
・相続登記とは何か、どんなときに必要か
・実際に相続登記を行う場合は自分一人でもできるのか、専門家に依頼するのか
・自分で相続登記を行う場合の必要な費用や書類、手順
などについて説明します。
自分で相続登記を行うか、専門家に相談するかの判断基準にお使いください。 

【目次】

  • 1.相続登記とは?相続登記が必要な理由と法令化の潮流
  • 2.相続登記の概要・費用・必要書類など
  • 3.相続登記を自分で行う際の流れ
  • 4.相続登記、自分でやる?専門家に依頼する?
  • まとめ

1.相続登記とは?相続登記が必要な理由と法令化の潮流

ここでは、相続登記=不動産の名義変更が必要な理由について説明します。

1-1.相続登記とは

相続登記とは、不動産における名義変更(所有権移転登記)のうち、相続が起きた際に行われる登記をいいます。

亡くなった方(被相続人)の遺産に不動産がある場合、その不動産は亡くなった方の名義で「登記簿」に記載されています。それを亡くなった方(被相続人)から相続人へ、名義変更を行います。

相続登記(不動産の所有権移転登記)をすることにより、その不動産は「所有者が変わった」と公的に認められ対抗要件を持ちます。

1-2.相続登記が必要な理由3つ

不動産の所有権は、何もしなければ亡くなった方(被相続人)の名義のままです。相続登記は、「必ず行わなければならない」「期限内に行わなければならない」などが法律上、定められているわけではなく、罰則も制裁もあるわけではありません。そのため、被相続人の名義のまま放置しておいても問題はありません(ただし、現在「相続登記の義務化」に向けて法改正が議論されています。後述囲み参照)。

しかし、相続が発生して不動産を取得したのに登記による不動産の名義変更を行っておかなかった場合、不動産の所有権がはっきりしないままになります。そのため、相続登記を行わないと、後々になって相続人の間でさまざまな問題やトラブルが起きる可能性があります。

特に「遺産分割協議」を行い、不動産を相続することになった場合は、相続登記は行っておいたほうがよいでしょう。

ここでは、相続登記を行ったほうがよい理由を説明します。

・相続登記が必要な理由1:不動産の売却をするなら名義変更が必須
不動産を売却する場合、登記上の名義人でなければ売却はできません。被相続人の名義のままでは、相続人はその不動産を売却することは不可能です。

たとえば換価分割(相続財産をすべて現金に変えて遺産分割する方法)の場合は、不動産の名義を相続人の共有名義にして売却する「共同登記」が考えられます。ほかには、相続人の1人の名義に変更してから売却し、相続人で分割する「単独登記」もあります。

いずれにせよ、相続した不動産の売却を考えるなら、必ず所有者名義の変更=相続登記の必要があります。

もしも相続登記をせず放置していた場合、急にその不動産を売却する必要が出てしまったときや、高値を提示した買い手が表れたときに、迅速に対応できず売り時を逃してしまうかもしれません。

・相続登記が必要な理由2:相続登記を放置したまま二次相続が起きると相続人が増える
相続登記を長期間放置すると、二次相続が起きて相続人が増え、手続きが非常に繁雑になります。

たとえば、被相続人Aには妻と成人した子どもが3人(B、C、D)いたとします。この時点で相続人は4人です。

Aが亡くなった後、相続不動産の登記をせずにいると、その不動産はAの名義のままです。この間にBが結婚し、Bの世帯は「B、妻、未成年の子どもが4人」になりました。

その後、Aの子どもの一人であるBが亡くなりました。Aの名義のままになっている不動産の相続人は、この場合、「Aの妻」「C」「D」だけでなく、「Bの妻」と「子ども4人」が加わり、相続人は倍の8人に増えました。

本来ならば4人で遺産分割協議をすればよかったものが、8人全員で行わなければならなくなったのです。

さらに、今回は未成年の子どもが4人いるため、それぞれに法定代理人もつけなければなりません。未成年は原則的に、単独では法律行為をすることができないとされているためです。

法定代理人は、一般的には親権者がなりますが、その親権者も相続人の場合は法定代理人をつとめることはできません。

このようなケースでは、相続の関係しない親戚(おじ・おばなど)を候補者として立て、家庭裁判所に「特別代理人」として申し立てをします。未成年の子どもの人数全員分、特別代理人は必要です。親類縁者に適当な人がいない場合は、司法書士などに相談して探してもらう場合もありえます。

また、遺産分割協議によって遺産分割協議書を作成する場合は、8人全員の署名、実印、印鑑証明書も必要になります。
もしもその不動産の売却を考えていた場合は、相続人が増えている分、話し合いがまとまりにくく、売却までに時間を要することが考えられます。

以上のように、相続登記を長い年月放置すると、非常に繁雑で面倒なことになる可能性があります。相続が発生し、遺産分割協議が終わったら、すみやかに相続登記を行う必要があります。

>>こちらも参考に
「未成年者が相続人の場合の相続手続きはどうなる?」
「数次相続とは?二次相続や代襲相続との違い」

・相続登記が必要な理由3:遺産相続のトラブルのリスクを軽減できる
上記のように相続登記を放置し相続人が増えてしまった場合、それぞれの関係性も年月により希薄になっている可能性、逆に複雑になっている可能性もあり、各々が相続分について主張し収集がつかなくなることも考えられます。

このように、相続登記をせずに先延ばしにしておくことで、将来的に相続人全員が、さまざまな不利益を被る可能性があります。 

<参考>現在は期限や義務は無いが……相続登記義務について法令化が議論中?

令和元年12月3日、「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)等の改正に関する中間試案」が、法制審議会の民法・不動産登記法部会において取りまとめられています。

参考:法務省:「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)等の改正に関する中間試案」(令和元年12月3日)取りまとめ

この中では、これまでは特に期限が設けられていなかった「相続登記の義務化」についても議論されています。

すでに見たとおり、相続が発生してから不動産の所有権移転登記を行わなくても、登記法制上では罰則などはありません。そのため、相続登記を放置するケースが多く見受けられます。

登記を行うことは、不動産の所有者を明確にし、所有者の権利を守ることになります。そのため、不動産の売買における名義変更は速やかに行われます。

しかし相続の場合は、以下のような理由から、相続登記を放置したままの不動産も相当数あると考えられます。

・名義人である被相続人が亡くなっているため、名義人が不動産の所有者を勝手に相続人以外の第三者へ移す危険がない
・民法第899条の2第1項より、相続人は相続登記をしなくとも、第三者に対抗することができる
※民法改正により「算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。」となりました。そのため、法定相続分を超える部分については、第三者より先に登記しないと財産を失う恐れがあります。

・相続人が1人などの場合、名義変更をしなくても生活に支障がなく、名義変更をすることでかえって登録免許税などの費用がかかるためわずらわしいと感じる人もいる

しかし近年、空き家問題の改善が各自治体や国の取り組みで行われています。相続登記を行わないことが原因による空き家が一定数あることが実態として明らかになったことからも、法令化・期限制定・罰則化することで、相続登記を義務化して促進させようというのが議論の内容です。

このため、将来的には、相続登記は義務化される可能性が高いため、今のうちから相続登記について確認し、備えておく必要があると考えられます。

>>こちらも参考に
「不動産を相続したら登記をするべき3つの理由」 

>>相続の専門家に相談する

2.相続登記の概要・費用・必要書類など

相続登記を自分で行うことは可能です。ただし、ある程度手間と費用がかかることは心得ておきましょう。通常は司法書士などに代理登記を依頼することで、事務的な手続き等にかかる労力はかなり軽減できますが、依頼費用がかかります。

2-1.相続登記の概要

項目内容
申請先管轄の法務局
【自分の管轄法務局を調べる】法務局:「管轄のご案内
申請者原則的に当該不動産を相続する相続人
申請期限特になし(ただし現在議論進行中)

申請のための書類集めから登記完了までは、自分で行う場合、おおむね1カ月程度を見込んでおくとよいでしょう。

2-2.相続登記に必要な書類と取得にかかる費用

書類費用
戸籍謄本1通 450円
除籍謄本1通 750円
改製原戸籍1通 750円
戸籍の附票1通 300円
住民票1通 300円
印鑑証明書1通 300円
不在住証明、不在籍証明1通 300円
固定資産評価証明書1通 300円
登記簿謄本(全部事項証明書)1通 600円

※費用は自治体によって異なる場合もあります。

2-3.税金、その他必要な書類や費用など

項目費用備考
登録免許税固定資産税評価額合算(1,000円未満切り捨て)×1,000分の4
※算定額から100円未満切り捨て
・所有移転登記にかかる、登記所で納付する国税。「登記料」とも呼ばれる
・原則、現金で納付。3万円以上の場合には印紙納付
司法書士手数料6万円前後
(相場観については下の表①参照)
・相続不動産の所有者名義変更(相続登記)を司法書士に依頼する場合に必要
・自分で登記を行うなら不要
遺産分割協議書の作成費用現在は報酬規定は無く自由価格制
(旧報酬規程は下の表②参照)
・遺産分割協議による相続の場合に必要
・おもに弁護士・司法書士に依頼する(行政書士は相続財産に不動産が含まれない場合)
その他書類の郵送代など諸費用・実費

2-4.司法書士手数料の相場感

 低額者10%の平均全体の平均値高額者10%の平均
北海道地区28,320円60,983円97,843円
東北地区35,457円60,667円99,733円
関東地区39,212円65,800円103,350円
中部地区37,949円63,470円116,580円
近畿地区45,842円78,326円118,734円
中国地区37,037円65,670円111,096円
四国地区40,683円65,578円99,947円
九州地区38,021円62,281円96,892円

※日本司法書士会連合会「司法書士の報酬」「報酬アンケート結果(2018年)」より

2-5.遺産分割協議書の作成費用の目安

遺産分割協議書の作成費用について、旧日弁連報酬基準からまとめてみました。司法書士、行政書士によるものはこれより低い料金になる傾向があります。

現在はこの基準は使われておらず自由報酬制ですが、この基準を相場としている場合もあるので参考にしてください。 

事件等報酬の種類弁護士報酬の額
2 契約書類及びこれに準ずる書類の作成(※この場合は遺産分割協議書の作成)定型・経済的利益の額(※この場合は遺産総額)が 1000 万円未満のもの
=5 万円から 10 万円の範囲内の額
・経済的利益の額が 1000 万円以上 1 億円未満のもの
=10 万円から 30 万円の範囲内の額
・経済的利益の額が 1 億円以上のもの
=30 万円以上
非定型基本
経済的な利益の額(※この場合は遺産総額)が
・ 300 万円以下の場合 =10 万円
・300 万円を超え 3000 万円以下の場合= 1%+7 万円
・3000 万円を超え 3 億円以下の場合 =0.3%+28 万円
・3 億円を超える場合 =0.1%+88 万円
特に複雑又は特殊な事情がある場合
=弁護士と依頼者との協議により定める額
公正証書にする場合上記の手数料に 3 万円を加算する

※引用元:「(旧)日本弁護士連合会報酬等基準」9P目より 

>>相続の専門家に相談する

3.相続登記を自分で行う際の流れ

ここでは、相続登記を自分で行う際の流れについて説明します。 

3-1.不動産調査と登記簿謄本の取得

不動産を管轄する法務局を調べます。管轄する法務局を間違えると申請が却下されてしまいますので、確認しておきましょう。

【参考】法務局 各法務局所在地・連絡先

その後、不動産の調査を行います。「固定資産税納税通知書」、「登記済権利証、または登記識別情報通知」、過去に取得された「登記簿謄本(=登記事項証明書)」から以下2つの項目を調べます。

・地番
・家屋番号

上記の書類がない場合は、相続不動産を管轄している自治体の役所、市区町村税事務所などで「固定資産税課税台帳(名寄帳)」を取得して確認します。

地番と家屋番号がわかったら、法務局で登記簿謄本を取得します(古いものではなく、あらためて取得する)。

登記簿謄本を取得したら、不動産の所有者を確認します。被相続人(亡くなった人)の名義になっていれば問題ありませんが、万が一すでに売却していたり、第三者と共有名義になっていたりした場合は、相続の専門家に相談しましょう。

>>こちらも参考に
「相続が発生したら、まずは財産目録を作成しよう」

3-2.戸籍と戸籍附票の準備をして相続人を確定する

戸籍に関する書類を集めて準備します。

戸籍がわかる書類には「戸籍謄本」「戸籍抄本」がありますが、相続登記に必要となる戸籍は、戸籍に記載されているすべての情報を得られる「戸籍謄本」のほうです。

被相続人の戸籍謄本は、「死亡している」ことが明記されていなければならないため、死亡届が反映されている戸籍謄本を取得します。

このとき、被相続人の出生から死亡するまでの戸籍を、さかのぼってすべて取得する必要があります。そのため、実際に自分で相続登記を行う際、この書類集めが最も手間がかかると思われます。

被相続人の戸籍をすべて取得するには、亡くなった最も直近の戸籍から遡り、法改正や結婚、転籍などで変更された戸籍謄本を順に1つずつ前に、前にと取得していきます。

このような、被相続人の人生すべてにおける戸籍謄本を取得する意味は、おもに相続人を確定するためです。もしも隠し子がいた場合などは相続人が増えるため、確認が必要になります。

また、相続人を確定するため、被相続人だけでなく相続人全員の戸籍謄本も必要です。

3-3.被相続人の本籍地・死亡時の住所・登記上住所の確認

取得した戸籍謄本で被相続人の本籍地は確認できます。死亡時の住所、登記上住所は住民票を取得し、正しいかどうか確認します。また遺産分割協議書を作成する場合は印鑑登録証明書なども必要なので、戸籍謄本を取得する際にまとめて取得して手間を省きましょう。

3-4.固定資産税の評価証明書を取得する

被相続人が亡くなった年度ではなく、相続登記を申請する最新年度の「固定資産評価証明書」を取得します。相続する不動産がある自治体の役所、または市区町村税事務所で取得できます。

この固定資産税の評価証明書により、登録免許税の額が算定されます。

なお、法務局により、固定資産税の納税通知書で代用可能としているところもあるようです。確認してみましょう。

3-5.相続関係説明図を作成する(登記申請書に添付するため)

これにより、登記完了後に、戸籍謄本などの提出した戸籍関係書類の原本を還付してもらえます。

3-6.遺産分割協議書を作成する

被相続人が遺言書を残しておらず、法定相続分での相続を相続人が希望しない場合、遺産分割協議を行います。遺産分割協議の内容をまとめ、遺産分割協議書を作成します。

3-7.登録免許税を算定する

法務局に収める登録免許税を算定します。登録免許税と同額の収入印紙を登記申請書に添付して提出します。計算方法は、大きな流れとして以下のようになります。

(1)固定資産評価額を確認
(2)固定資産が複数ある場合は、すべての評価額を合算する
(3)1,000円未満を切り捨てる
(4)上記で求めた金額×4/1,000(100円未満は切り捨てる)

>>こちらも参考に
「相続で不動産を取得した場合にかかる登録免許税とは」

3-8.登記申請書を作成する

登記申請書のひな形は法務局に準備されていますが、法務局のホームページからもダウンロードできます。

【参考】法務局:「不動産登記の申請書様式について」(18)~(22)

登記申請書は「法定相続」「遺言書」「遺産分割協議」それぞれのパターンで異なるため、ダウンロードの際は自分のケースに合うものか確認しましょう。また必要な添付書類も異なります。 

登記申請書の添付書類(1)法定相続による相続登記申請の場合(2)遺言書による相続登記申請の場合(3)遺産分割協議による相続登記の場合
被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍)謄本
被相続人の出生以降のすべての除籍・改製原戸籍など 
相続人全員の戸籍謄本 
相続人全員の住民票または戸籍の附票  
不動産を取得する相続人の戸籍謄本  
被相続人の住民票(除票)または戸籍の附票(除附票)
相続関係説明図
遺産分割協議書  
相続人全員の印鑑証明書  
不動産を取得する相続人の住民票または戸籍の附票 
不動産の固定資産評価証明書または納税通知書
公正証書遺言  

登記申請に必要な書類がすべて揃ったら、以下の書類をステープラーで左側を綴じ、見開きごとに実印で割印します。

(1)登記申請書
(2)登録免許税分の印紙を貼った紙
(3)添付書類(原本還付してほしい書類)のコピー
(4)相続関係説明図

その後、添付書類の原本をクリップで留めます。

3-9.法務局へ登記申請する

申請には以下の3つの方法があります。

(1)窓口に直接持参する
(2)郵送する
(3)オンライン申請する

必要書類が足りているかどうかなど、窓口では質問して教えてもらえます。オンライン申請は事前の準備や対応しているブラウザなど制限もあるので、初心者の場合は窓口申請が無難でしょう。

どうしても直接持参が難しい場合は郵送も受け付けてくれます。その場合、次の「完了書類の受け取り方法」も郵送を希望するならば、その旨を登記申請書の「その他の事項」欄に記載します。完了書類受取方法と日程を確認します。

提出書類に不備や不足があった場合は、完了予定日までに連絡が来ます。

>>こちらも参考に
「不動産相続の手続き・節税方法・必要書類について完全解説」
「不動産を承継したらどんな税金がかかる?」 

>>相続の専門家に相談する

4.相続登記、自分でやる?専門家に依頼する?

相続登記は自分で行うことも可能ですが、司法書士などの専門家に依頼したほうがよいケースもあります。どのような場合に、どちらを選択すればよいのか、説明します。

4-1.自分で相続登記を申請して問題ないケース

・相続する不動産の内容をすべて把握できている
・不動産の権利関係が複雑ではない
・売却などを急いでいないため、相続登記も余裕をもって取り組める
・相続人の人数が少なく関係性もシンプルでわかりやすい
・事務手続きや法務局までの移動などが問題なく行える能力がある

通常の不動産売買では、たとえば売却する物件に住宅ローンを受けていた場合などは、抵当権抹消手続きが、また新しく物件を購入する場合には、物件の保存登記および抵当権再設定が必要になります。保存登記自体は素人でも可能ですが、抵当権に関することは融資先の銀行としては専門家である司法書士などに任せることを求めるでしょう。

相続登記は、売買のように「相手」がいないため、相続人が行っても問題ありません。上記のように「余裕がある」場合に、行ってみてはいかがでしょうか。

4-2.専門家へ依頼したほうがよいケース

・相続する不動産の内容が把握できていない
・不動産の権利関係が複雑
・売却を急いでいるためあまり時間がない
・相続人の人数が多く、関係が複雑で、意思疎通が十分に図れない
・事務手続きに手間や時間がかけられない

これらに加えて、以下の状況に当てはまる場合も、専門家へ依頼したほうが良いようです。

・すでに相続人で分割について意見が割れており、遺産分割協議を行う予定である
・遺言書があり、内容について相続人で確認しなければならない
・不動産の名義が、被相続人の一世代前のままで放置されている
・相続についてトラブルになりそうである(※弁護士案件)

これらの場合は、司法書士、弁護士などの専門家に任せたほうが、費用はかかってもスムーズに調査や調整を行ってもらえるでしょう。 

>>相続の専門家に相談する

まとめ:相続が発生したら相続登記は速やかに行うのが吉

相続登記について概要、必要な費用と書類、自分で登記を行う場合の手順について説明しました。

相続登記を行わないままでも現状、罰則などはありません。しかし、近い将来には相続登記の義務化が定められる可能性があります。相続が発生した場合、相続する資産のなかに不動産があると予想されるなら、速やかに相続登記が行えるよう、事前の確認や準備の一助としてこの記事をお役だていただければ幸いです。