意外と厳しい、セカンドハウスを持つ場合の条件とは

東日本大震災以来、注目されるようになったのが、「セカンドハウス」です。一見、別荘やリゾートマンションと混同しそうですが、「セカンドハウス」として承認されれば、別荘などとは異なるメリットがあります。承認されるには、いったいどんな条件があるのでしょうか。

震災で必要性が分かったもう一つの住居

東日本大震災では、多くの被災者が避難所生活を余儀なくされましたが、そこで必要性が認識されたのがセカンドハウスと呼ばれる「もう一つの住居」です。セカンドハウスを持っていれば、万一自宅が被災した場合でも、避難所生活を回避できます。必要性が分かったとしても、気になるのが「セカンドハウスをローンで買えるか」という点でしょう。

住宅ローンの二重契約は認められませんので、返済の途中で再度住宅ローンを組むことはできません。そこで、有力な選択肢になるのが、「セカンドハウスローン」です。文字どおりセカンドハウスを購入したい人向けに融資するローンになります。主に住宅ローン専門金融機関や、流通系の銀行などで扱っている商品です。

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別荘やリゾートマンションとどう違う?

セカンドハウスは、別荘やリゾートマンションのような余暇を過ごす施設とは異なります。月に1日以上定期的に住む住居のことを指します。定期的に居住する住まいとして利用するのであれば、立地は別荘地や海辺などでも問題ありません。ポイントは、定期的に居住するかどうかにあります。セカンドハウスの立地を選ぶ場合は、後述する認定条件との関係で、自宅とは離れた地域にすることが必要です。

セカンドハウスは、単に持っているだけでは別荘と同じになってしまいますので、本人や家族が定期的に利用しやすい物件を購入することが重要になります。

税制面でメリットが大きいセカンドハウス

セカンドハウスとして住宅を持つことは、税制面でも大きなメリットがあります。住宅を持っている方にとって、大きな負担になるのが「固定資産税」です。固定資産税は、「固定資産税課税台帳」に記載されている課税標準額に対し、1.4%課税されます。ただし、軽減措置により200平方メートル以下の住宅用地は「小規模住宅用地」と規定され、課税標準額が評価額の6分の1に減額されます。

200平方メートル以上の場合でも3分の1に減額され、この規定はセカンドハウスにも適用可能です。また、「都市計画税」も200平方メートル以下の住宅用地は3分の1、200平方メートル以上の場合は3分の2にそれぞれ減額されますので、両方合わせれば少なくない減税額になるでしょう。さらに、住民税も「所得割」は住民票のある自宅で課税されているため、セカンドハウスは「均等割」の課税のみで済みます。

【参考】憧れの別荘につきまとう税金上のデメリット

セカンドハウスと認められるための条件とは

メリットの大きいセカンドハウスですが、セカンドハウスとして認められるケースとして以下のような利用方法があります。

  • 遠距離通勤で自宅から職場まで相当な通勤時間が掛かるため、
    職場の近くに第2の住居を持ち、平日利用する
  • 平日は自宅で過ごすが、週末は必ず帰る場所で、生活の拠点として利用する

以上のことから、セカンドハウスとして認められるには、ある程度の合理的な条件が必要であることが分かります。別荘のように単に保養目的で所有することは認められないと考えた方がよいでしょう。そして、もう1点注意しなければいけないのが、セカンドハウスの優遇措置を受けるには申請期限があることです。取得後60日以内に、所在する都道府県税事務所へ申請する必要があります。

固定資産税や都市計画税は「国税」ではなく「地方税」のため、都道府県や市町村によって基準が違う場合があります。確認のためにも取得後早めに都道府県税事務所に相談することが大事です。条件や届け出は意外に厳しいものの、もう一つの住まいを持つことで心強さもあります。「南海トラフ大地震」発生の可能性が高まるこれからの時代を考えると、セカンドハウスの所有は、隠れたセキュリティー対策といえるのかもしれません。

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